西郷隆盛の人物像を解くには、流島や下野した「静」の時代に目を向けるべき である。 「静」の視点から西郷を眺めると、歴史の表舞台で活躍する「動」の時代とは 違う西郷隆盛の人物像が浮かび上がってくる。歴史を動かした原動力は「静」の 時代に感じ得た独自の思想や理想であることがわかる。 本書では、「無私と野心」「勁さとやさしさ」「知と情」「度量と狭量」「君 子と凡夫」「官と民」「忠心と逆心」「都と野と」「天の道、人の道」といった 9つの相反する「西郷を解く鍵」を提示し、そこから西郷隆盛の全体像に迫る。